ブログの文体について9

ブログの文体について9

ブログという特別の文体があるわけではない。
ペットとの日常を連載すればペットブログになり、ゴルフに行った日々の記録とすればゴルフ日記ブログになるように、ごくごく日常の私的なことに終始することによって、ブログという形をとっているのは、近代社会の産物である小説の手法なのだ。
天下国家を論じる大説(?)ではなく、小さな日常を描いた小説なのだ。たとえ政府要人のブログであっても日常を書くことがブログたりうるのはこの小説の手法によっている。近代社会における個人の生活にそして微小な感情が共感を得たのである。ブログはこの手法の延長上にある。「そういうことってあるよねぇ」とする共感がささえている。その意味では短い小説(実録小説と呼ばれる分野―実は事実とフィクションを同列に並べるという不思議なことば)と考えてもいいのだ。