糖質制限食に反動の波がやってくる

NHKのクローズアップ現代糖質制限をしていてトラブルを起こした症例を紹介しているのを偶然みた。寝ようと思って入った寝床で見たものだから、メモできなかったのだが、これは明らかにカロリー制限してフラフラになったのだと直感した。つまり飢餓状態。栄養失調なのさ。

翌日、当然江部先生はぼやいているだろうとブログを検索。

http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3881.html

おっしゃる通りですな。

ところで、この番組に登場していた、高橋久仁子先生というのは『「健康食品」ウソ・ホント』で1998年以来の講談社ブルーブックスで何かと参考にさせてもらってお世話になってきた本で、最近刊の2016年版を含めて3冊ある。

高橋久仁子先生に就いて江部先生はこう述べている。


「番組出演の群馬大学名誉教授の栄養学者の高橋久仁子さんが、

『ダイエットブームは、たいてい1〜2ヶ月、長くても半年で終わるが糖質制限食は年単位で続いているのが不気味です。』

と述べておられました。

私の回答は、不気味でも何でもなく、糖質制限食はブームではなく真実であるということです。

すなわち、糖質制限食は生理学的事実に基づく基礎理論と、RCT研究論文・コホート研究により裏付けられたエビデンスがある科学的な食事療法なのです。

江部康二」


高橋先生は今回の版では糖質制限について直接の言及はない。しかし、しかし、FER(脂質からのエネルギー比率)を言い出していることからして、批判的であるのは間違いないと思っていたので、番組での発言を訊いてヤッパリかと思い、がっかりしたのは否めない。



フードファディズムに果敢に挑戦してきた人にしてこれか? という失望は隠せない。ポイントはここでも「バランスのいい食事」という言葉と「主食」という幻想だ。おかずは副食とは言わずに「主菜」と突っ込まれないように言い換えているが、穀物、糖質、ここではやっぱり米=ごはんという白米幻想だろう。主食なんてものはないということが理解されていない。

まして、科学者として無作為比較試験によるデータが出ているのに認めようとしないのは情けなくなってしまった。

ほんとここ何年かで、これまで常識が逆転して革命が起こっていることについていけないんだよね.