四天王寺の古本市

dokusyoin2006-10-09

きのう、四天王寺の古本市にいってきた。今年は、のぼりも少なくなんとなく店も少ないようで活気に欠けていたがそれでも秋のこの時期は四天王寺の境内でおこなわれるこの古本市は楽しみだ。100円均一のコーナーもあって目を皿のようにして漁っていた。昔の文学全集などがバラでたくさんあって、もう文学全集なんてはやらない時代になって何十年にもなるが、明らかにゴミ扱いされているのを見ると悲しい。でも文庫で読むことを考えたら紙質はまだいいほうだし、少し重いのだけ辛抱すればこちらのほうがまだいいかもしれない。
いまだに愛用(愛読?)している講談社の「現代文学25吉本隆明」も100円だった。この集には「共同幻想論」や「高村光太郎」などどの評論とともに、なによりも重要な「マチウ書試論」が入っている。「マチウ書試論」は文庫本にもないのでけっこうお世話になった本の一冊だ。この二段組の本はハードカバーに函入りで堅牢につくられている。そして昭和47年発行なのに本文がヤケていない。ほおづえをつく若き日の吉本さんの写真も巻頭写真もあって大変なつかしいものになっている。80冊以上はある吉本本のなかでおそらく一番最初に買った本じゃなかったかと思う。すでに何十年も前の話なのだが。
ちなみに今回の古本市のテーマは「団塊世代の青春譜」であった。